誰かのために動くことはできるのに、自分が助けてもらう立場になると戸惑ってしまう。
褒められても、「そんなことはありません」と打ち消してしまう。
親切にしてもらうと、うれしさより先に「早く返さなければ」と考えてしまう。
そのようなことはないでしょうか。
人を支えることに慣れている人ほど、自分が受け取ることを後回しにしているかもしれません。
けれど、人との関係には、力を貸す時間と、力を借りる時間の両方があります。
差し出された好意を受け取ることも、相手を信じる一つの形です。
①褒め言葉をすぐに打ち消さない
「あなたの言葉に励まされました」
そう言われたとき、照れくささから否定してしまうことがあります。
謙虚でありたいという気持ちもあるでしょう。
しかし、その言葉は、相手が実際に感じたことでもあります。
自分では大したことをしていないと思っていても、その人には意味があったのかもしれません。
まずは、「そう言ってもらえて、うれしいです」と受け取ってみてください。
自分を大きく見せなくても、相手の感じた喜びを大切にすることはできます。
②助けてもらう範囲を小さく決める
人に頼ることが苦手なら、何もかも打ち明ける必要はありません。
「この文章を一度読んでもらえますか」
「十分だけ、話を聴いてもらえますか」
「この作業だけ、手を貸してもらえると助かります」
何を、どのくらいお願いしたいのかを具体的にすると、相手も引き受けられるか判断しやすくなります。
相手が断れる余地も残しておきましょう。
頼ることは、相手にすべてを背負わせることではありません。
お互いに無理のない範囲を確かめながら、力を借りることです。
③すぐに同じだけ返そうとしない
親切を受けるたびに、その場で同じだけ返そうとすると、心が落ち着かなくなることがあります。
もちろん、お礼を伝えることや、交わした約束を守ることは大切です。
けれど、好意のすべてを、その日のうちに精算する必要はありません。
忙しいときには、支えてもらう。
余裕が生まれたときには、自分にできることを差し出す。
関係によって、その形も時期も異なります。
「今は、ありがたく受け取ろう」
そう思える余地を、自分に与えてみてください。
④受け取るものを自分で選ぶ
差し出されたものを、すべて受け入れる必要はありません。
望んでいない助言。
負担に感じる贈り物。
引き換えに無理な要求をされる親切。
そのようなものには、距離を置いて構いません。
「お気持ちはうれしいですが、今回は遠慮します」
そう伝えることもできます。
安心して受け取るためには、自分で選べることが大切です。
何を受け取り、何を断るか。
その判断を持ちながら、人とつながってよいのです。
⑤受け取ったものを生かす
教えてもらったことを、一度試してみる。
励ましてもらった言葉を、つらい日に思い出す。
手伝ってもらって生まれた時間を、必要な休息に使う。
受け取った好意を、自分の暮らしの中で生かしてみてください。
後日、「あのとき助けてもらえて、本当に助かりました」と伝えることもできます。
相手にとっては、自分の行動が役に立ったと知る機会になります。
無理をして大きなお返しを用意しなくても、届けられるものはあります。
いつも支える側にいなければ、自分には価値がない。
そのように考えなくても大丈夫です。
疲れている日も、迷っている日も、誰かの力を借りながら過ごしてよいのです。
自分一人ではできなかったことを、誰かとなら進められる。
そんな経験から育つ信頼もあります。
今日、差し出された小さな好意に気づいたら、すぐに遠慮する前に立ち止まってみてください。
本当は、うれしいと感じていないでしょうか。
受け取れたら、少し助かるのではないでしょうか。
そう思えるものなら、「ありがとう。助かります」と伝えてみましょう。
受け取ることも、人を信じる力です。
あなたが差し出してきた優しさと同じように、あなたへ向けられた優しさにも、居場所があってよいのです。
あなたが安心して人の力を借り、支え合える関係を育てていけることを心から願っています。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
いつも読んでくださる皆様に、心から感謝いたします。
森﨑康太
【LFA ラーニングフォーミュラアカデミー】
『永遠の学びをあなたと共に』