現代社会が抱えている社会的課題 教育事業を通じて実践していく施策

人生

現代社会が抱えている社会的課題 教育事業を通じて実践していく施策

投稿日:

現代社会が抱えている社会的課題の一つ。

自殺の命題に対して
教育事業を通じて実践していく施策の中に
大きな解決策があると私たちは考えています。

なぜならば逆境から立ち直った人に対して、
本日お伝えする内容は
非常に重要な役割を果たしているからです。

少子高齢化の未来に於いて、
特に40代以降の方々が齎す
消費の幅が大きくなってきます。

明確な理由としては行動心理学的背景があり、
青春時代に馴染みのある出来事が、
追体験効果によって懐かしいという
衝動に駆られる為です。

この際に中枢神経系のドーパミンが
「ドバっ」と出る快楽で購買に至ります。

懐かしいという感情を引き起こして
購買意欲が高まることによって
商品やサービスを購入する消費行動を
ノスタルジア消費といいます。

そもそもノスタルジアとは、
過去に医学論文の中に於いて
掲げられた造語になります。

そして実は、
このことは軍隊と関連しているとされています。

もともとは故国から
離れている人たちに見られる様な
ホームシックの病的状態を意味する言葉でした。

現代社会に於いては人々が移動することは、
出張やライフスタイルの変化など
頻繁に起きているため
場所への愛着は弱くなってしまっています。

その為にノスタルジアの意味が
望郷から過去への思いに変化しました。

現代社会の人々は本人が望めば、
ある種どこへでも行くことができます。

しかしながら、
唯一過去に戻ることはできませんよね。

故に人々は懐かしさを感じるのです。

ノスタルジアを喚起することによって
感情に変化が起こっていきます。

一番大きな変化としては、
孤独感が低減されることです。

人はネガティブな感情を抱き続けると
ソーシャルサポートが低下して
孤独感を増加させてしまいます。

※ソーシャルサポートとは
「社会的関係の中でやりとりされる支援のこと」

しかしながら、
ノスタルジアによる感情が高まると
ソーシャルサポートが増加して
孤独感を低減させます。

ノスタルジー喚起とレジリエンスの相関関係

現代社会が抱えている社会的課題 教育事業を通じて実践していく施策

事業を通じてノスタルジー喚起を促すことは
現代社会が抱えている社会的課題の一つである
自殺の問題に対しても
大きな解決策になると考えています。

なぜならば逆境から立ち直った人に対して、
ノスタルジアによる感情は
重要な役割を果たしています。

逆境からの立ち直りやすさの尺度である
レジリエンスを用いた研究に於いて
孤独感が強い場合レジリエンスが高い人は
ノスタルジアを感じやすいことが
研究結果として測定できました。

辛い状況に置かれた時に
ノスタルジアを感じることによって
他者から支えられているという
ソーシャルサポートの感覚が高まり、
精神的な健康を回復しやすくなるのです。

ノスタルジアを支える記憶過程

ノスタルジアを支える記憶過程は
以下の3つになります。

1 エピソード記憶
2 意味記憶
3 知覚表象システム

それぞれ詳しく解説していきますね。

1 エピソード記憶

自分がいつどこで誰と経験したかという
出来事の記憶のことを指します。

これを思い出した時は非常に懐かしく思って
過去に戻って再体験している感覚が起きます。

事例としては
外出中に馴染みのある人の顔を見かけた際に、
その人を知っているという感覚だけでなくて
いつどこで知り合ったのかまで
思いだせる状態のことです。

そのような過去を
再体験しているかのような意識状態を
メンタルタイムトラベルといいます。

このことは
エピソード記憶の最大の特徴でもあります。

出来事が詳細に想起されているという点で
ノスタルジアが喚起されている時
メンタルタイムトラベルを伴う
エピソード記憶が想起されているといえます。

2 意味記憶

これは知識に関する記憶です。

この場合の知識とは日常の経験の中で
長い年月に渡って獲得された知識を指し、
思い出す時には知っているという感覚と共に
一般的な知識として想起されます。

この二つの記憶は思い出した際には
何らかの意識を伴っています。

特にエピソード記憶は体験を
確かに思い出しているという
感覚である自己内省的意識。

意味記憶は知っているという
感覚である既知意識があります。

3 知覚表象システム

過去の知識や経験について知っているという
感覚がない無意識のレベルの潜在的記憶になります。

ノスタルジアが喚起された時、
物事の記憶だけでなく
その時点の出来事が詳細に想起される
メンタルタイムトラベルという意識状態を伴う
エピソード記憶が想起されることを述べました。

これは過去への憧憬と言われる様に
ノスタルジアは過去の記憶と
深く関わっていることが分かります。

そして近年の研究結果によると、
エピソード記憶が未来を創造する
プランニングに対しても
大きく関わっていることが分かりました。

これをエピソード的未来志向
エピソード的シミュレーションと呼んでいます。

過去のエピソード記憶の再体験的想起と
未来の出来事の詳細なプランニングが
共通の特徴を持っていて
神経基盤も共通している部分が多いのです。

懐かしさを引き起こす要因としては
過去の頻繁な接触現象と
その事象との接触のない
空白期間の存在が挙げられます。

現代では個人が収集した
懐かしいものに関する画像や動画を
インターネットで共有できるようになり
いつでも懐かしい気分に
手軽に浸ることができるようになりました。

それにより懐かしさを引き起こす
要因の空白期間が低減しています。

消費者行動研究に於ける
ノスタルジアの初期研究では、
以下のように定義付けられています。

「人が若かった時に今よりも
一般的だったものに対する嗜好」

初めて見たのに懐かしいという感覚は
まさしくデジャヴに近いです。

ここで言うデジャヴとは、
初めて体験する物事に対して
過去に経験したことがあるという
主観的な印象を持つことを意味しています。

そして日本の若年層の7割が
一度はデジャヴを経験したことがあります。

しかしながら、
デジャヴという現象では
驚きや不安の感情が大きいのに対して、
初めてだけど懐かしいという感情は
安心感や親しみを伴う場合が多いです。

そこで重要になってくるのが
自己の存在となるアイデンティティー。

また、 自分自身が直接経験していない
過去であったとしても
自分の人生が深く関わっている場合は
個人的にノスタルジアにかなり近い
感じ方が可能になります。

懐かしいという感情を呼び起こして
購買意欲を高めるためには
その商品やサービスに対して
好意的感情を持つ必要があります。

そこでどのようにして懐かしいという感情が
好意的感情につながるのか。

そういった刺激に触れれば触れる程
それを好きになっていく現象を
単純接触効果といいます。

その典型的な方法はデジャヴを生じさせて
その刺激に対する懐かしさの感情を
喚起させていく方法です。

懐かしさはポジティブ感情を喚起させて
その刺激に対して好意的印象を高めるからです。

懐かしさを介在した単純接触効果を得るために
ある程度の接触経験が必要となります。

マーケティングに於いて
活用できる戦略としては
潜在顧客に認知を得るフェーズで
プロダクトを集中提示するか
分散提示するかになります。

施策効果を測定した結果
プロダクトを集中提示した時よりも
様々なプロモーションと
混在させた分散提示の方が
より高い効果を測定することができました。

ノスタルジアを活用したマーケティング手法

それでは更に
ノスタルジアを活用したマーケティングについて
詳しく見ていくことにしましょう。

そもそもノスタルジアマーケティングは
嘗ての商品やサービスを
そのまま売り出すのではなくて
現在の機能的水準や
現代の人々の嗜好に合わせてカスタマイズし
新商品や新サービスとしてリバイバルしたものを
プロダクトとして市場に投下します。

ノスタルジアマーケティングを
実施するメリットは2つあります。

1 モノがあふれている現代社会に於いて
低コストで目新しさを演出できる点

2 レトロな雰囲気を目新しいと
感じる層である若年層と
懐かしいと感じる層である
高齢者層の両方を対象とできる点

歴史的ノスタルジアが喚起されることによって
人は自分が全く経験していない
過去に関する財に対しても
懐かしさを感じることが
できるようになっています。

ノスタルジアマーケティング戦略に於いて
4つの前提条件を押さえていておいてください。

1 象徴的なブランド・ストーリーがあること
2 過去が理想郷として描かれていること
3 本物らしさのオーラをしていること
4 パラドックスが内在していること

※ここで言うパラドックスとは
伝統やテクノロジーなど
一見矛盾する要素を含んでいるということです。

ノスタルジアマーケティングを施策とする
具体的な戦術としては
以下の2つの方法があります。

1 嘗ての商品やサービスに於ける
キャッチコピーやストーリーなどを含む
メッセージをそのまま使うという手法。

2 過去のとある時代を感じさせる
新商品や新サービスとして
今までにない斬新な
新しいメッセージを使うという手法。

事業を通じて社会課題を解決していく
志を有する事業家がまた一人また一人と
奮い立つその時を心から願ってやみません。

編集後記

拙著『ゼロイズム 〜絶望の荒野に綺麗な永遠の花を咲かせよう〜』
刊行させていただき、
東京都内上場企業メディア関係者を含めて
非常に多くの反響をいただきました。
著者として引き続き 2冊目を出版させていただきます。

生涯学習に関する新刊を現在執筆中です。

出版社からもしくは自費出版かは
まだ決定していませんが、
お声掛けいただきました各関係者の皆様には
心より感謝申し上げます。

株式会社 K GLOBAL PRODUCTION
代表取締役 森﨑康太



-人生

error: コンテンツは著作権保護されています

Copyright© 森﨑康太 公式サイト , 2024 AllRights Reserved Powered by micata2.