「私は人前で話すのが苦手だから」
「新しいことを始めるタイプではないから」
「昔から不器用だから」
私たちは、自分についてさまざまな説明を持っています。
その説明は、過去の経験から生まれたものかもしれません。
けれど、ずっと前につけた自分への評価を、今も確かめずに使い続けてはいないでしょうか。
経験も、環境も、関わる人も変わっています。
今の自分に何ができるのかは、もう一度試してみなければ分からないことがあります。
①自分への決めつけに気づく
何かを勧められたとき、試す前から「自分には向いていない」と答えてしまう。
そんな場面があったら、その判断がどこから来たのかを振り返ってみてください。
一度うまくいかなかった経験でしょうか。
誰かに言われた言葉でしょうか。
周囲との比較でしょうか。
「自分はこういう人間だ」と思っていることの中には、限られた場面での経験が、そのまま残っているものもあります。
まずは、決めつけている言葉を一つ見つけてみましょう。
②苦手だった場面を具体的にする
「話すことが苦手」といっても、すべての場面で同じとは限りません。
大勢の前では緊張しても、一対一なら落ち着いて話せる。
即興では言葉が出なくても、準備をすれば伝えられる。
知らない話題では黙ってしまっても、好きなことなら自然に話せる。
何が苦手で、どのような条件ならできるのか。
そこまで具体的にすると、自分の見え方が変わります。
「できない」という一言で閉じていた場所に、試せる入り口が見つかるかもしれません。
③小さな役割を引き受けてみる
新しい自分を知るために、大きな挑戦をする必要はありません。
集まりで一つ質問する。
知っていることを誰かに説明する。
いつも任せている段取りを、一部分だけ担当する。
少しだけ普段と違う役割を試してみましょう。
やってみて楽しいと感じることもあれば、思った以上に疲れることもあります。
そのどちらも、自分を知るための手がかりです。
得意なことを発見するだけでなく、自分に合う関わり方を知ることにも意味があります。
④できたことを例外で片づけない
うまくできたときに、「たまたまです」とすぐに打ち消していませんか。
周囲の助けや、条件の良さがあったのかもしれません。
それでも、その中で自分が行ったことは残っています。
準備をした。
相手の反応を見ながら工夫した。
最後まで担当した。
何ができたのかを、具体的に認めてみてください。
一度できたからといって、いつでも完璧にできるとは限りません。
けれど、「できた経験が一つある」という事実まで消す必要はないのです。
⑤新しい自分にも名前をつけすぎない
少しうまくいったからといって、今度は「これが本当の自分だ」と決める必要もありません。
人には、いくつもの面があります。
一人で集中したい日もあれば、誰かと協力することが楽しい日もあります。
先頭に立てる場面もあれば、支える役割で力を発揮する場面もあります。
自分を一つの型に収めず、場面ごとの違いを知っていく。
その方が、選べる行動も増えていきます。
自分を理解することは、自分の説明を完成させることではありません。
経験するたびに、説明を書き足していくことでもあります。
「苦手だと思っていたけれど、この形ならできた」
「興味がないと思っていたけれど、触れてみると面白かった」
「一人で進める方が好きだったけれど、協力する楽しさもあった」
そんな発見を重ねる余地は、今の自分にも残されています。
今日、いつも口にしている「私はこういう人だから」を、一つだけ振り返ってみてください。
それは、いつの自分についての説明でしょうか。
今の自分にも、そのまま当てはまるでしょうか。
無理のない小さな場面で、もう一度確かめてみましょう。
まだ知らない自分に出会うために必要なのは、自分を大きく変えようとする決意だけではありません。
「今ならどうだろう」と試してみる、ささやかな好奇心です。
あなたが過去の評価に閉じ込められることなく、自分の新しい一面を見つけていけることを心から願っています。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
いつも読んでくださる皆様に、心から感謝いたします。
森﨑康太
【LFA ラーニングフォーミュラアカデミー】
『永遠の学びをあなたと共に』